ニューヨークで4月17日、「Tribeca Film Festival(トライベッカ映画祭)」が幕を開けた。
今年で12回目となる同映画祭は、世界各国で活躍する映画監督の作品をより多くの人々に届けること、国際的規模で映画関係者と一般市民に映画の魅力を体験してもらうこと、ニューヨーク市が映画製作の中心地であることをプロモーションすることの3つを目的として開いている。これまでに80カ国以上から集められた1400本以上の映画を上映、400万人以上の観客動員を記録し、ニューヨーク市に7.5億ドルもの経済効果をもたらしている。
今年は35カ国から短編・長編合わせて217本の映画が出展されており、トライベッカ、ユニオンスクエア、チェルシーなど6つの映画館で、世界中から集まったえりすぐりの映画を上映。日本からも2作品が出展され、内田伸輝監督の「おだやかな日常」は東日本大震災後、福島原子力発電所から漏れた放射能に不安や危機感を募らせ、見えない恐怖に翻弄(ほんろう)されていく女性や子どもたちの姿を描いた長編ドラマ。もう1本は日本育ちのフランス人監督、ナサナエル・カートン監督の「リコレクションズ」。13分のショートフィルム・ドキュメンタリー作品で、東日本大震災の被災地で見つかった写真と、それにまつわる思い出をつづっている。
今年は「Tribeca Film Festival:Online Competition」も実施。参加者はオンラインで短編映画4本と長編映画3本を5段階で評価し、最も評価が高かった作品には特別賞が贈られる。
そのほか、監督による作品解説、デジタル技術を駆使した映画制作に関するディベートなどを行う「Tribeca Talks」や、家族でストリート・フェアやスポーツアクティビティーを楽しめる「Family Festival」など、さまざまなプログラムを用意する。
映画祭は今月28日まで。チケットは、一般=16ドル、平日18時までと全日23時以降=8ドル、トークショー=25ドル。スケジュールはホームページで確認できる。