ニューヨークの中華料理店からフカヒレが姿を消す可能性が出てきた。ニューヨーク州上院議会は、中華料理の高級食材として使われるフカヒレの所持・販売・貿易・流通禁止の法案を可決した。今後、法案は下院議会で可決され、アンドリュー・クオモ州知事がサインすると発効となる。
大型のサメのヒレを使った姿煮やスープのフカヒレ料理は、市内の多くの高級中華料理店で提供されている。現在、世界では年間7300万匹のサメがフカヒレのために捕獲されており、その多くは最終的に殺される。乱獲によって数種類のサメが絶滅危惧の状態にあり、今後も乱獲が続くと生態系全体に悪影響を及ぼすと言われている。
米国では以前からサメの乱獲が深刻な問題となっており、2000年に大西洋およびメキシコ湾、2010年に太平洋で漁獲が規制された。しかし、フカヒレの需要は絶えず、その後は州単位で規制が強化され、現在はカリフォルニアを含めた5州が所持と売買を禁止している。
人間よる動物への痛みや恐怖減少に努める「Animal Welfare Institute」によると、現在フカヒレ料理を取り扱っている市内のレストランは約60店。今回の法案が可決されると、料理店やフカヒレ好きのニューヨーカーには大きな打撃を与えることになる。