ニューヨークで5月27日、自転車をシェアするサービス「Citi Bike(シティバイク)」が始まった。シティバイクは公共の道路にバイクステーションを設け、料金を払い自転車をレンタルできるシステム。別のステーションに返却も可能で、ニューヨークの新たな交通手段として期待されている。
2011年9月にニューヨーク市運輸局(DOT)がサービス導入を発表し、米大手銀行シティバンクが5年間4,100万ドルのスポンサー料を支払い、「Citi Bike」の正式名称が決定した。昨年7月からの開始を目指していたが技術的問題とハリケーン「サンディ」の影響で計画に大幅な遅れが生じ、今回ようやく開始に至った。
マンハッタンとブルックリンに330ステーションが設置され、6000台以上の自転車を配備。料金設定は最初の30分が無料で以降30分ごとに4、9、12ドルと加算されていく。1日パス=9.95ドル、7日パス=25ドル、1年パス=95ドル。16歳以上なら観光客も利用できる。最寄りのステーションや使用できる自転車の有無などの情報をリアルタイムで検索できるスマートフォン向けアプリも導入した。
環境に優しい新たな交通手段として期待されている一方で懸念材料も多い。一部の専門家は企業のロゴが入った自転車が市内に散乱することで景観を崩す可能性があると指摘している。また、月曜には自転車で走行していた老人が自動車にはねられ死亡する事故やシティバイクが盗まれる事件が起きるなど安全面の確保も重要な課題となっている。
市は今後さらにアッパーマンハッタン、クイーンズ、ブルックリンに数千のステーションを設置することを計画している。