在米日本人が製作したニューヨークを舞台としたウェブドラマ「2nd アベニュー」が8月27日、ユーチューブで公開され、話題を集めている。
同ドラマは、日本という枠からはみ出してしまった若者が、個性と多様性の街ニューヨークで自己を再発見する姿を描き、第1話の「畳の上のエロ乳首」は公開から5日で再生回数2000回を突破した。
一流の女優を夢見て単身渡米したグラビアモデルのマリコと、アメリカ在住日本人でゲイの大学院生タイチがルームメイトになるところから物語は始まる。当てにしていたスポンサーから解雇され、ビザの期限切れが迫るマリコと、ゲイであることを認めない父親に追い出され学費に困ったタイチは、両方の問題解決手段として偽装結婚を思いつく。全く性格の違う2人が、ニューヨークで七転八倒し、自分たちが本当に望む生き方を勝ち取っていく姿をドキュメンタリースタイルで追う。
撮影には、架空の人物や出来事に基づいて作られる「モキュメンタリー手法」を使い、臨場感にこだわっている。せりふもアクターが自然に喋(しゃべ)る言葉を使い、通常のドラマとは違う現実味のある雰囲気を出している。通常のテレビドラマでは難しいゲイやドラッグなどを題材にしているのも、規制の少ないウェブドラマならではの切り口として、話題を集めている。
兵庫県出身の川出真理監督は、日本のエンターテインメント業界でプロデューサーをしていたが、過去に映画製作の勉強をしていたニューヨークに2007年、再渡米した。「日本にはたくさんの壁やルールがあるが、その点ニューヨークは寛大。このドラマに登場するキャラクターを通じて、『他人と違ってもいいんだ』『笑われたっていいじゃない』ということを感じてもらいたい」と話した。
全6話を予定しており、第2話は9月10日に公開予定。4話からはクラウドファンディング「キックスターター」で集めた資金をもとに撮影をする。協賛者には協賛金に応じた特典を用意し、8,000ドルの資金調達を目指す。協賛金募集は10月17日まで。