専業主婦で作家、中村ふみさんの小説「裏閻魔(うらえんま)」のアメリカン・コミック「The Immortal: Demon in the Blood」が発売され、ニューヨークのコッミクス販売店にも登場した。
日本発のエンターテインメント性あるストーリーで、海外進出できる可能性を持った作品を発掘する「ゴールデン・エレファント賞」で2010年に大賞を受賞した同作品は、米のコミック出版社「ダークホースコミックス」が名乗り出たことで、海外進出の切符を手にした。
日本の小説を原作にしたアメコミは過去に例がない。今回発売されたのは連載第1巻。2巻~4巻は3月までの毎月下旬に発売する。
平日の昼下がりにもかかわらず、コミックファンであふれるニューヨーク最大のコミック専門店「ミッドタウン・コミックス」(200 W 40th Street, New York)でも、店内のダークホースセクションにその姿はあった。「発売から2週間たち好調な売れ行き」と同店マーケティング・ディレクターのソーさん。「次巻を待つ人も多いのでは」(ソーさん)とも。
コミックのまとめ買いに訪れていたブルックリン在住のラファエルさんは「絵がとても美しいし、古めかしさのあるストーリーがいい。間に入る広告が残念だが、自分のコレクションにはふさわしい作品。2巻も購入するつもり」と買い物かごに入れていた。
同作品は、昨年のNYコミックコンでも多くの来場者が募る中、ダークホース社がプロモーションを行うなど、発売前から一部で話題となっていた。日本の文化が新しい形で海外進出する例として、今後の動きが注目される。