米メジャーリーグのプレーオフを戦う、イチロー選手や黒田博樹投手などニューヨーク・ヤンキースのナインの元へ10月10日、100年近く前の「レトロ電車」が、大勢のファンを運んだ。
ヤンキースは現在ボルティモア・オリオールズと、地区シリーズ(5回戦制)で対戦中。1勝1敗で迎えた同日のナイトゲームが、本拠地・ヤンキースタジアム(1 E. 161st St. Bronx)での初の試合だった。ニューヨーク市郊外にある同球場は駐車場が少なく、ファンのほとんどが電車を使って観戦に訪れる。5万人を上回る観客を送迎するため、ニューヨーク州都市交通局(MTA)は特別輸送態勢を敷き、その一環として、「ノスタルジア・スペシャル」と銘打ったレトロ電車を走らせた。
使われた車両は、1917年から50年以上実際に走っていたもので、ラタン製のシートや天井で回るファン、開閉式の窓などが特徴。18時30分過ぎにマンハッタン中心部のターミナル「グランド・セントラル」駅を出発、地下鉄4番線の線路を「161丁目・ヤンキースタジアム」駅までノンストップで走った。ファンは約30分間、すし詰め状態で電車に揺られた。
「ヤンキースファンがベーブ・ルースやルー・ゲーリックを見るために使っていた電車が、今度はデレク・ジーター選手やA・ロッド選手を応援するために運行されている」と、同局地下鉄担当のカーメン・ビアンコ上席副社長は話す。
同夜のヤンキースは、劇的なサヨナラ勝ち。「ノスタルジア・スペシャル」は同11日と12日(第5戦が行われた場合)にも、同区間を走る。