米国立公園局は、今年の7月4日・米独立記念日に、ニューヨーク・リバティ島(Liberty Island, NY)にある自由の女神の一般公開を再開することを発表した。
昨年秋に米東海岸を襲った大型ハリケーン「サンディ」。ローワーマンハッタンを中心に停電や浸水などの大きな被害が出たが、自由の女神像を支える周辺施設でも、船着き場の破損、リバティ島に近接するエリス島の電力供給システムの故障に伴うセキュリティーシステムの障害が起きた。そのため10月29日以来、一般公開を中止していた。
運輸省は「サンディ」の被害を受けた国立公園などの修復のために2,800万ドルの予算を割り当て、その一部を自由の女神像の修復に使用すると発表。サラザール内務長官は「米国立公園局のデータでは2011年に自由の女神像を訪れた訪問者の数は370万人に上り、1億7,400万ドルの経済効果と2218人の雇用を生み出している」と、自由の女神像のニューヨーク経済への重要性を説いた。
自由の女神は「サンディ」が直撃した前日の10月28日に設立126年記念日を迎え、展望台がある「王冠」部分への入場が再開されたばかりだった。過去にも2001年9月11日の米同時多発テロを受けて一般公開が中止され、2009年の米独立記念日に合わせて再開していたが、王冠部分は安全上の理由から、数回入場を再開したのみで、2011年10月から改修工事を行い入場できなくなっていた。1年かけてエレベーターや階段部分の本格的な改修を行い、同記念日に待ちに待った入場再開となったが、わずか1日で大型ハリケーンの被害に直面することとなった。7月4日に「王冠」部分への再入場が開始されるかは現在未定。