マンハッタンとクイーンズ区を結ぶ7番線地下鉄で、ヘアケア製品を扱う「Head & Shoulders(ヘッド・アンド・ショルダー)」の広告キャンペーンが行われ、そのキャッチーな内容に市民から注目が集まっている。
同キャンペーンは、先日行われた野球メジャーリーグの「ALL STAR GAME 2013」ニューヨーク開催に伴い始まった。今シーズン中に三振が出る度に、同社が1ドルをMLB Reviving Baseball in Inner Citiesに寄付する仕組み。貧困なコミュニティーで暮らす子どもたちに野球をする機会や勉学の質の向上をすることを目的としている。同社は車両を広告で包んだ「ラップ広告」を出しているほか、車内でもユニークな広告を打ち出し話題を呼んでいる。
車内には「予約席」と書いてある席が置かれ、その下に「Head & Shouldersを使って、ハンサムな香りがする男性専用」と続く。隣の席には「刺激的な匂いを嗅ぎたい女性専用予約席」と書かれており、クリエーティブな宣伝に楽しそうに乗車を楽しむ市民の姿が見られる。乗車していた女性は「普通に空いている席に座ろうと思っていた。でもよく見ると隣の男性の匂いを嗅ぎたい女性限定と書いてあって思わず笑ってしまった。汗をかくスポーツと、いい香りのするシャンプーを掛けるなんて面白い。ハンサムな人が座っていたら迷わず座ってしまうかも」と笑いながら話した。
近年の米国結婚率調査では、国内の半数が独身であることが明らかになり、特にニューヨークでの独身率が年々上昇の傾向にあると発表された。2年前の調査では、市内の女性未婚率は41.7%、男性は46.7%と、どちらもほぼ半分を占めており、オンラインデートや独身者向けのパーティーが盛んに行われているにもかかわらず、女性の社会的進出や同性愛結婚が増えたことで近年さらに数字が上昇している。
ニューヨークに在住の男性は「市内で結婚相手を探すのはなかなか難しい。でも、この広告はなかなかクリエーティブで、席に座ったら自然に笑顔で隣の女性と話せるきっかけになると思う。席に座らなくても近くの人との話題づくりになっていい」と話していた。
キャンペーンは7月31日まで。