ニューヨークのカーネギーホール(881 7th Ave.)で3月1日、一夜限りの日本伝統芸能の公演が行われた。公演前日にはジャパン・ソサエティー(333 E 47th St.)でトークショーも行われた。
同公演は市川海老蔵さんによる、歌舞伎をはじめとした日本の伝統芸能の魅力を伝えるための企画「GRAND JAPAN THEATER」の一環。一夜限りの公演は、狂言、能、歌舞伎が同じ舞台で同時上演される。アメリカだけでなく日本でも3つの伝統芸能が同じ舞台で同時公演されることは珍しい。
公演演目はそれぞれ「三番三」、「土蜘蛛」、「春興鏡獅子」。出演者は市川海老蔵さんをはじめ、片山九郎右衛門さん、梅若紀彰さん、観世喜正さん、茂山逸平さん、亀井忠雄さんら、各分野で活躍している役者が顔をそろえる。
2月29日に行われたトークショーでは、市川海老蔵さんと田中傳次郎さんが歌舞伎について語り、「ニューヨークの多くの人に楽しんでほしい」と話した。歌舞伎独特の舞台化粧のデモンストレーションも披露。日本人ファンに限らず、ニューヨーク現地の人も多く集まり、会場はにぎわった。
トークショーに訪れたジェネットさんは「友人に誘われてきた。トークは難しかったが、舞台化粧のデモンストレーションがとても印象的だった」と話す。友人のエリザベスさんは「学術的なトークが多かったが、とても楽しめた。一夜限りの公演も一生に一度の機会だから見逃さないわ」と話した。