400年の伝統を誇る琳派を描く女流日本画家の山岸泉琳さんの個展「Dancing Cherry Blossoms」が3月27日、ニューヨークの「Onishi Gallery」(521 W. 26th St.)で始まった。
琳派とは安土桃山時代から江戸時代にかけて受け継がれた400年以上の歴史を持つ伝統的な画法で、金箔(きんぱく)などを多用したきらびやかな装飾性とこれまでの日本画には見られなかった斬新なデザイン性が特徴。江戸時代初期の京都の絵師、俵屋宗達による「風神雷神図屏風(びょうぶ)」などが琳派の代表的な作品として知られている。
現代美術作品の個展を開催するために25年前にニューヨークを訪れた山岸泉琳さんは、メトロポリタン美術館に展示されていた安土桃山時代の琳派の襖絵(ふすまえ)に感銘を受けたことがきっかけで、日本帰国後、以前より魅力を感じていた日本の伝統的装飾美学を代表する琳派の研究を始めた。1997年には京都の高台寺の80畳以上にもなる庭園画の制作を担当し、翌年には山岸さんの代表作となる「枝垂桜」を高台寺の襖(ふすま)に描いた。その後多くの実績を積み、25年越しの目標だった今回のニューヨークでの個展を実現した。
山岸さんは「金箔や絵の具を作る職人が丹精込めて作った材料を大切に使って作り上げたものが伝統的な日本画の魅力。若い世代のためにも日本画の魅力を世界に発信したい」と意気込みを見せる。
開館時間は11時~18時。日曜・月曜定休。入場無料。4月7日まで。