MTA(ニューヨーク都市圏交通公社)は8月1日より、通常バス料金2.75ドルの徴収を再開した。
ニューヨークでは現在も続いている新型コロナの影響により、MTAの従業員131人が亡くなり、その内の41人がバス関連に従事していた。MTAは事態を重くとらえて、バス運転手の安全と乗客との適正距離(ソーシャルディスタンシング)確保のため、3月23日から支払いコインボックスのある前方を含んだ最初の3列をビニールシートカーテンで閉鎖し、運転手と乗客の接触を防ぎ、乗車料金は無料としていた。
一方、公共交通機関利用の減少により、MTAは約100億ドルの損失を計上、過去の最大の財政難に陥っている。ニューヨーク市は7月20日より経済再開の最終段階(フェーズ4)に入っており、街における人の行き来が活発化してきたことから乗車率が徐々に上がってきており、安全な料金徴収の再開が求められていた。
現状を受けて、8月から料金徴収が出来るように新たなプロテクションバリアがバスに導入され、ドライバーと乗客を隔てるための熱可塑性プラスチックのドアが両者が利用する料金支払いコインボックスエリアに設置されるほか、ドライバーに一番近い1列の座席はビニールカーテンで封鎖される。マスクやフェイスカバーの着用は引き続き、必須となる。
MTAバス部門の社長クレグ・シプリアノさんによると、8月中旬までにはプロテクションのついたバス1000台が導入され、秋までには4800台が導入される予定。バスの乗車率を上げるとともに道路の混在を避けて更に速くバスを運行するめ、新たに20マイル(32km)のバス専用道路も追加される。