大阪のシニア劇団、オフ・ブロードウェー公演に初挑戦-英語のせりふも克服

「煙が目にしみる」舞台公演

「煙が目にしみる」舞台公演

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 大阪のシニア劇団「すずしろ」が6月12日・13日、マンハッタンのオフ・ブロードウェーシアター「The Abington theater Arts Complex」で「Smoke Gets In Your Eyes」(邦題「煙が目にしみる」)の公演を行った。

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 2004年、大阪・箕面の生涯学習センターの市民企画講座「60歳からの演劇入門」をきっかけに誕生した同劇団。劇団名の「すずしろ」はダイコンの別称、その名の通り多くのメンバーが60代まで芝居経験のない素人ばかりで、60~80代の22人で構成する。

 これまでは地域文化振興財団の招聘(しょうへい)公演、他劇団の客演など文化交流事業を活発に行ってきている、今回のニューヨーク・ブロードウェー公演は初の海外公演となる。

 同作は、思いもしない死に方をしてしまった男が2人。あの世へ行くことにためらい葬儀場の待合室で互いの人生について話し込むうちに、自分たちの葬儀を送るそれぞれの家族の姿に出会うというストーリー。

 同公演では英語のせりふもあるため、けいこは四苦八苦の連続だったという。出演者は「戦中で英語禁止の時代だったので会話が大変苦労した」(82歳の杉田さん)、「せりふを覚えてもすぐ忘れる。英語の発音は通じるだろうかなど心配はあったが、一からやった」(72歳の家邊さん)などの感想を残したが、演出・指導の倉田操さんは「ニューヨークで公演しませんか?から始まったが、物事いい加減にしない努力と責任感のシニアの力はすごい」と振り返った。

チケットは両日とも完売。観客には地元の人たちも多く訪れ、コメディータッチのせりふにも「よくわかる英語で大変楽しめた」と話していた。

同劇団がNYブロードウェー公演実現へ挑戦する姿を撮影したドキュメンタリー「このゆびとまれ」は、2011年春の上映を目指す。

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