ニューヨーク・イースト川の潮力発電プロジェクト「ルーズベルト島潮力発電(RITE)」が1月23日、米連邦エネルギー規制委員会(FERC)から商業運転の利用を試験認可された。
全米では潮力発電の商業運転に向けた試験認可に前例がなく今回が初。NYを拠点にプロジェクトを運営する民間企業「Verdant Power(バーダント・パワー)」が、潮力発電を商業運転に利用する10年間の認可が交付された。これにより、地元顧客への電力供給が可能になる。
同プロジェクトは、イースト川に浮かぶルーズベルト島付近の水路で展開。潮力を利用し電気を発電するもの。2002年から潮力発電の実証試験を実施している同社では、2006年から2009年に6基の潮流タービン発電機をイースト川の水深9メートルに導入。毎時70メガワットの電力を生み出し、2カ所の利用者への供給に成功した。
さらに、人員を必要としない自動制御システムの導入や、満潮・干潮時のニ方向性稼働による高効率、安全性など多数の成果を出しているほか、クリーンな再生可能エネルギー生成で高い評価を得ている。同社では将来、30基のタービン設置を予定している。
FRECでは近年、アメリカの水力発電技術開発向上に注力。試験プロジェクト認可手続きを設定し、新技術の試験がしやすい環境を整備してきた。今回の認可もこれを通して実現した。ニューヨークの電力事情への注目はさることながら、アメリカ国内の水力発電にも期待が集まる。