ニューヨークのジャパン・ソサエティー(333 East 47th St.)は3月26日、世界的美術作家・杉本博司さんに長期密着取材を行ったドキュメンタリー「はじまりの記憶 杉本博司」を上映する。
1976年に「ジオラマ」シリーズを制作して以降、世界的に高い評価を得ている杉本さん。現在は東京とニューヨークを拠点に活動しており、欧米など世界各地の美術館で個展を開催している。その高い功績が認められ、2001年・ハッセルブラッド国際写真賞、2009年・高松宮殿下記念世界文化賞、2010年・紫綬褒章と数々の栄誉を手にしている。
同作品は、2010年に「WOWOWノンフィクションW『はじまりの記憶 現代美術作家・杉本博司』」として放送後、アメリカで、テレビ版アカデミー賞とも言われる国際エミー賞のアート部門にノミネートされた。その後、新撮が加えられ、映画版として昨年日本各地で劇場公開された。日本、ニューヨーク、南仏、豪・シドニーと国境を越えた創作の現場に密着し、杉本さんの作家としての素顔と、その視線の先を見つめた同作品は米国初公開となる。杉本さんと交流を持つ安藤忠雄さん、野村萬斎さんなどがドキュメンタリー内に登場し、女優・寺島しのぶさんがナレーターを務める。
映画紹介には杉本さん自身が登壇し、上映後に質疑応答も予定する。上映会後にはレセプションを開催。今回の上映会は、3月28日・29日にグッゲンハイム美術館(1071 5th Ave.)で公演される「三番叟(さんばそう):野村萬斎×杉本博司」の関連企画。
上映は19時から。チケットは、一般=12ドル、ジャパン・ソサエティー会員・シニア・学生=9ドル